引越し前に必ず確認!ハザードマップの見方完全ガイド|洪水・土砂・津波リスクを徹底解説
公開日:2026/3/31 最終更新:2026/3/31
「ハザードマップを見ずに引越しした」は危険な理由は?
引越し先を選ぶとき、家賃・駅からの距離・治安を重視する方は多いですが、ハザードマップの確認を忘れている方が非常に多くいます。
近年、日本各地で記録的な豪雨・台風・地震が相次いでいます。2019年の台風19号では東京・神奈川でも多摩川が氾濫し、武蔵小杉など人気エリアでも大規模な浸水被害が発生しました。「まさかこんな場所が…」という声が多く聞かれましたが、ハザードマップを事前に確認していれば浸水リスクは把握できていました。
引越しは人生の大きな決断です。治安データとあわせてハザードマップも必ず確認し、安全な住まいを選びましょう。
⚠️ 知っておきたい法律
2020年8月から、不動産契約時に水害ハザードマップでの物件の所在地説明が義務化されました。説明がない場合は積極的に確認を求める権利があります。
ハザードマップとは?
ハザードマップとは、自然災害による被害が想定される区域や避難場所・避難経路を地図上に示したものです。国土交通省や各自治体が作成・公開しており、誰でも無料で確認できます。
主な種類は以下の5つです。
- 洪水ハザードマップ:河川の氾濫による浸水リスク
- 土砂災害ハザードマップ:崖崩れ・土石流・地すべりのリスク
- 津波ハザードマップ:地震による津波の浸水想定
- 高潮ハザードマップ:台風・低気圧による海水の浸水リスク
- 地震ハザードマップ:地震の揺れの強さ・液状化リスク
引越し先を検討する際は、これらすべてを確認することが理想です。
ハザードマップの確認方法(3ステップ)
ステップ1:国土交通省のポータルサイトにアクセス
国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」にアクセスします。このサイトひとつで、全国のハザードマップを一括確認できます。
URL:https://disaportal.gsi.go.jp/地域安全マップの「🌊 ハザードマップ」タブからも直接アクセスできます。
ステップ2:「重ねるハザードマップ」で複数のリスクを同時確認
ポータルサイトには2種類のモードがあります。
- 重ねるハザードマップ:洪水・土砂・津波など複数のリスクを地図上に重ねて表示。引越し検討時に最適。
- わがまちハザードマップ:各自治体が作成したハザードマップを閲覧。より詳細な情報を確認できる。
まずは「重ねるハザードマップ」で引越し候補地を検索し、複数のリスクを一度に把握しましょう。
ステップ3:カラーの意味を理解して判断する
洪水ハザードマップは浸水の深さによって色が変わります。
- 白・薄い色:リスクが低い(浸水深0.5m未満)
- 黄色:注意(浸水深0.5〜1m程度・膝上まで浸水)
- オレンジ:警戒(浸水深1〜2m程度・1階が浸水)
- 赤・濃い赤:危険(浸水深2〜5m以上・2階まで浸水)
オレンジ・赤のエリアに物件がある場合は、階数・建物構造・避難経路をあわせて確認することが重要です。
洪水リスク:東京で注意すべきエリア
東京都内で洪水リスクが特に高いのは、東部の低地エリア(ゼロメートル地帯)です。荒川・江戸川・墨田川などの沿川に位置するエリアは、大規模な氾濫が発生した場合に長期間の浸水が想定されています。
特に注意が必要なエリア:
江東区・墨田区・荒川区・葛飾区・江戸川区・足立区(ゼロメートル地帯が多い)
比較的リスクが低いエリア:
杉並区・練馬区・世田谷区(台地部)・文京区・新宿区(台地部)
※武蔵野台地上に位置するため洪水リスクが相対的に低い
ただし「低リスクエリア」でも、小河川の氾濫や内水氾濫(下水が処理しきれず溢れる)が発生することがあります。必ず実際のハザードマップで物件の所在地を確認してください。
土砂災害リスクの見方
土砂災害ハザードマップでは、以下の2区分で危険度が示されています。
- 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):建物が破壊されるほどの土砂が流れ込む恐れがある最も危険なエリア。建物の新築・増改築に制限あり。
- 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):土砂災害が発生した場合に建物に被害が生じる恐れがあるエリア。
東京では多摩丘陵・青梅市・奥多摩町などの山間部に加え、世田谷区・目黒区・渋谷区の谷地(崖沿い)にも土砂災害リスクがあるエリアが存在します。おしゃれなエリアでも地形によってはリスクがある点に注意が必要です。
地震リスク(液状化・揺れやすさ)も確認しよう
東京都は「地震に関する地域危険度測定調査」を公表しており、建物倒壊・火災・総合危険度を区丁目単位で確認できます。地域安全マップでも地域危険度ランク(1〜5)を区別に掲載しています。
液状化リスクも重要な確認事項です。液状化とは、地震の揺れによって地盤が液体のように軟化する現象で、建物の傾き・沈下・インフラの損傷につながります。東京湾岸の埋立地(江東区・江戸川区・品川区・港区の一部)は液状化リスクが高いとされています。
ハザードマップで確認したら次にやること
①避難場所・避難経路を事前に把握する
引越し候補地のハザードマップで、最寄りの指定緊急避難場所・指定避難所の場所を確認しておきましょう。実際に歩いて確認しておくと、いざというときに迷わず行動できます。
②物件の階数・構造を確認する
洪水リスクの高いエリアでは、上層階を選ぶことで浸水被害を軽減できます。また、木造より鉄筋コンクリート造(RC造)の方が耐久性が高く、地震・火災にも強い傾向があります。
③不動産会社に確認を求める
2020年8月以降、重要事項説明でハザードマップの説明が義務化されています。説明がない場合は「ハザードマップでの位置を教えてください」と積極的に確認を求めましょう。
まとめ:治安とハザードマップの両方で「安全な街」を選ぼう
引越し先の安全性を確認するには、犯罪発生率などの治安データとハザードマップによる災害リスクの両方を確認することが不可欠です。
- 治安が良くても水害リスクが高いエリアがある
- 犯罪発生率が高く見えても地形的に安全なエリアもある
- どちらか一方だけでは不十分
地域安全マップでは、犯罪発生率・街灯密度・家賃などの統計データに加え、国土交通省のハザードマップも一括で確認できます。引越し先の候補エリアをぜひ検索してみてください。
出典:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/)、東京都都市整備局「地域危険度一覧表(第9回)」、国土交通省「不動産取引時のハザードマップを活用した水害リスク情報の提供について」(2020年8月)